泣くと

いうこと。

子供の頃から元々涙もろいほうではあったが、父は泣くと更に怒りに火がつく人だったので、どうしても抑えきれない時は声を殺して顔を押さえて堪えながらだった。

加えて、女だから許されると思うなという言葉が事あるごとに繰り返された。

その積み重ねから人前で感動以外では泣くことはなくなり、涙を武器として使おうと思ったことも使ったこともない。

女を武器にするのも、そこまでの美貌があるでもないので性別を問わずに魅力的でありたいと自然と考えるようになっていた。

そうすると自分が女であっても男であったとしても惹かれる人が存在することに気付いたりする。

そしてそうなりたい。片方ではつまらない。と本気で考えた。

それでも思春期があり流される。

終わらないからやーめた。