無花果
母に持っていった。
どうだろう、嫌いだったっけ?いや、どうだったろう。聞いたこともない気がするけど、あまりうちにはなかったかもしれない。
そう考えつつも、季節のものだし、いつも同じようなものだしと思って持って行った。
どうやら好きではなかったようだ。
あぁ…そうだったか。
あまり母は嫌いなものを特別言ったりしなかった気がする。そのために母の苦手なものがあまりわからない。
ぎりぎり牛乳はあまり好きでないということだけ知っている。時代的に美味しくない牛乳かかなミルクだったかで酷い味だったみたいだ。
ここ7〜8年で初めて知った母の苦手なものは色々ある。
もっと,好き嫌い教えてくれないかな。
いっぱい我儘いってほしいな。
そうでないとどんどん辛くなる。
何か楽しんでいてもいつも十字架を背負っている感じがする。わたしだけ楽しんだら幸せに思っていいのだろうか、いやだめだ。
そんなのが、ずっとある。
きっとこれからもそうだ。
そしてこれを考えている間、辛くて仕方ないがどうすることもできなくて、もっと自分を嫌になる。